上士幌 〜ゴーシュ羊牧場へ〜 その二

いま北海道産の羊肉が評価され
雑誌の表紙を飾っているのを見かけます。

キメの細かい赤身に、甘みがあり後味が軽い脂。
どんどん箸が進む美味しさはどこから来るのか。


「 
前編 上士幌 〜ゴーシュ羊牧場へ〜 その一 」はこちら

 

 

その肉質を生むのは、どんな飼料(エサ)??
羊の品種の交配のバランス??
肥育方法??
(出荷直前の数週間にエサの種類や量を変えて肉質を変化させること)
どんなテクニックがあるのだろう。

そんな疑問を持って上士幌へ向かいました。

 

「羊舎の外での放牧してて、伸び伸び育ててとっても羊も気持ちよさそう!
なんて良く言われるんだけど。
雨や風や寒暖差、夏は日差しを遮る屋根もない過酷な暑さ、
害虫も居るし、衛生面を考えてもストレスフルな一面もあるんだよね。

この羊舎は羊にとって快適かな。」


(この日は放牧期間外で、羊みんな羊舎の中でした。
娘さんへのプレゼントのこのブランコも草野さんの手作り!!)

 

「羊は捨てるところが無い生き物なんですよ。」
通常、茶系やグレーや黒が多い原毛ウール。
今年刈り取った中から白くて柔らかい部分のみを選び
なんと、手編み中!! の編み物。

 

着させて頂いたコレ!
スコットランドは職人ハンドニット界の本家
INVERALLAN インバーアラン をも超えていそうな
ケーブル編みのクオリティ。
着た時のどっしりくる重みが本物の証。

何でもプロレベルでびっくり過ぎました。

 

 

そして、気になっていたこの質問。
美味しい肉質へのこだわりは?どのように作っているのでしょう!?

 

 

愚問でした、、。

「 偶然や一過性のことではなく、必然性ですかね。 」


上士幌 市街地を抜けた林と川が隣接する草原地。
その谷間に位置する
ゴーシュ牧場の立地ならではの気候。

夏は湿気を風が取り除き
冬は極寒の羊好みの気候の中
10ヘクタールを超える広大な牧草地には
豊富な草が生え広がります。



旧羊舎を経て
草野さんの羊への愛情や
機能を計算されつくした羊舎。



産んだ仔羊を優しく守り
栄養豊富な乳を上げられるには
母羊自身が健康で強くたくましいことが必須。
この条件に選ばれた母羊。

 

めん羊において過酷な作業の一つが毛刈り。
その毛刈りにおいてもプロ中のプロでもある草野さんは
他牧場から依頼される程。
その人脈を辿り出会ったのが
血統が良く、繁殖季節には毎日沢山頑張れるタフガイ。
選ばれた父羊。


それぞれが必然となり
それが最終的には、強くたくましい「群れ」を構成する。

この「強くたくましい群れ」こそが
良い肉質ではなく、強い羊 が継承される最大の由縁。

こうした本質を知り、伝えていく事。
これも我々、羊肉販売者の使命と気づきました!



ゴーシュ羊牧場 草野さんのHPのブログが面白いですよ〜!
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